奈良時代に当神社の神主であった大神朝臣狭井久佐(さいくさ)の次男、穀主(たねぬし)が、ご祭神のご神意を得て素麺作りを始めたという伝承が伝わっています。このことから素麺作りに携わる人々からご祭神は素麺作りの守護神として崇められます。
卜定祭はご祭神に地元特産の三輪素麺の卸値を占う祭典で、生産者や販売業者の参列のもと、神職が三ツ鳥居前の大床で卜定の儀式を行い、新しい年の卸値がご神意のまにまに決められます。かつて三輪の町には市場があり、穀物の相場を占っていたと言われますが、卜定祭もその伝統を引き継ぐものです。地元の素麺組合では基準になる三輪素麺を卜定による卸値で取引することとなります。祭典終了後、拝殿前で素麺作りの過程を真似たユニークな「三輪素麺掛唄(みわそうめんかけうた)」などの踊りが三輪素麺音頭保存会のご婦人方により奉納されます。