かつて大神神社には神饌田(しんせんでん)がありましたが、戦後はなくなっていました。そこで平成2年に天皇陛下のご即位を記念して、篤農家の集まりである豊年講の人たちの協力によって「大美和の杜」に神饌田を復活させ、狭井川の清水をそそぎ入れてお米づくりが始まりました。
5月12日には苗代に籾種を播く「播種祭」、6月25日には水を湛えた田に早苗を植える「御田植祭」、10月20日にはたわわに実った稲穂を刈る「抜穂祭」がそれぞれ行われます。 なかでも、御田植祭は白丁(はくちょう)という白い装束に赤や青の襷(たすき)をかけ、菅笠をかぶった早乙女、田作男により整然と早苗が植えられるという、昔懐かしい田植えの光景が見られます。田長(たおさ)の打ちならす太鼓の音を合図に、古式ゆかしい神事の形で、手作業により植えられていく御田植祭は自然の恵みに対する深い感謝と、日本人の原風景を見ることができる貴重な祭典です。
この神饌田で作られるお米は大神神社の祭典で御饌米(みけまい)としてお供えされ、御神酒の醸造用にも用いられます。また、稲藁は注連縄の材料として使用されます。