朱漆金銅装楯(しゅうるしこんどうそうたて)(重要文化財)
桧板の表を朱塗り、裏面を黒塗りした一対の衝楯で、表上部に金銅伏金、裏上部に鉄製打立金を施します。高さ158センチ、巾39センチで表上部に、一枚は日像(鍍金)、一枚は月像(鍍銀)を画きます。裏面に「大神八所大明神 嘉元参年(1305) 乙巳卯月 」の朱漆銘があり、鎌倉時代の木楯として貴重なものです。
この銘にしるす大神八所大明神とは、文保二年(1318)の奥書をもつ『三輪大明神縁起』に「八所ハ大神、日向、雨増、若宮、神宝、檜原、華鎮、御子宮ヲ謂ウ也」とあることから、本社を含む摂末社の総称をさし、八所大明神に奉納された衝楯と考えられます。