高坏(たかつき)(県指定文化財)
欅材に総体を黒漆塗りした高坏で、天板の縦38・8センチ、横40・8センチ、総高32・5センチ、底裏には「大神社 延元3年(1338)5月吉日 大施主道有」と朱塗の銘文があります。南北朝期の作で、角形高坏としては現存最古のものとされ、現在の大祭に用いられるものとほぼ同じサイズであり献供の高坏の原型と見られます。
銘文中の道有なる人物については不明ですが、「延元」の年号が南朝にのみ用いられたことから、道有なる人物や大神神社がどのような政治的立場に立っていたかを窺うことができます。